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2024年12月2日
生活習慣

インフルエンザをやっつけよう

憎きインフルエンザ

みなさん、こんにちは。
予防医学アドバイザーです。

今回は、先日私の子ども達も罹ってしまった憎きインフルエンザについてお話いたします。
ぜひ対策法など参考にしていただき、皆さまはこの冬をインフルエンザに罹らず元気にお過ごしいただければ嬉しいです。

さて、今年も少しずつ流行り始めている『インフルエンザ』ですが、インフルエンザウイルスは低温・低湿度を好むため、冬に活動が活発になると言われています。日本では、1〜2月が感染者が最も多い時期になります。

インフルエンザの正体とは

インフルエンザウイルスはもともと人に感染しなかったものが、人に感染するぐらい変異したものだとご存知でしたでしょうか?今では、A型・B型・C型に分類されます。

インフルエンザが及ぼす影響としては、高熱、倦怠感、筋肉痛、咳、のどの痛みなどが主な症状です。なぜその症状がでるのかには理由があります。

まず、発熱することで体内に侵入した細菌類の増殖を抑えます。また、免疫系の活性化も促しています。この時、悪寒も感じる方が多いのではないでしょうか?
それにも意味があり、体内の熱が逃げないように体の表面の血管を収縮させ、手足の表面温度が下がり、寒気を感じるようになります。くしゃみ・咳は、ウイルスなどの異物を体外に排出しようとして起こる反射的な反応です。

このようにご自身の症状にはちゃんと理由がわかると辛さが少し和らぐ気がしませんか?お子様がいるご家庭では、焦らずに対応できると思います。

重症化リスク

インフルエンザの重症化リスクとしては、高齢者、乳幼児、妊婦、慢性疾患を持つ人では肺炎や心筋炎などの合併症を引き起こす可能性があります。後遺症として疲労感や咳が長引くことがあります。
すぐに病院で診察することも重要ですが、まずは感染しないよう対策からお話ししていきます。

予防策

インフルエンザウイルスが細胞内に入り込まないようにするためには、ウイルスの侵入を防ぐ対策があげられます。以下に、具体的な方法を説明いたします。

1. 物理的な防御
【手洗い】
石けんでの手洗い:ウイルスは表面の脂質で覆われているため、石けんで壊すことができます。(消毒液を使う場合は、アルコール70%以上のものが望ましいです。私はパストリーゼ77が使いやすくて使っています。)

【マスクの着用】
飛沫感染を防ぐ:咳やくしゃみでウイルスが飛散するのを防ぎます。

【適切な環境管理】
湿度:ウイルスは乾燥環境で活発になるため、湿度50~60%を維持する。
換気:密閉空間でのウイルス濃度を下げます。

2. ワクチンによる予防
【ウイルスの侵入阻止】
免疫系がウイルスを速やかに認識し、侵入を防ぐ抗体を作ります。

【HA(ヘマグルチニン)を狙った抗体】
ウイルスが細胞に付着するのを妨げます。(※ヘマグルチニン(HA)は、インフルエンザウイルスなどのウイルス膜表面にある糖タンパク質で、ウイルスが感染する際に重要な役割を果たしています。)

3. 栄養と免疫力の強化
【栄養素の摂取】
ビタミンD:免疫細胞の働きを活性化し、感染を防ぐ。(魚介類、きのこ類、日光浴での生成)
ビタミンC:免疫細胞の機能をサポート。(柑橘類、キウイ、パプリカなど)
亜鉛:ウイルスの複製を阻害。(牡蠣、ナッツ、種子類)
オメガ3脂肪酸:炎症を抑える効果。(青魚、亜麻仁油、チアシード)

【腸内環境を整える】
プロバイオティクス(ヨーグルト、納豆)で腸の免疫力を高める。

4. 抗ウイルス薬の活用(感染初期の対策)
【ノイラミニダーゼ阻害薬】
例:タミフル、リレンザ
ウイルスが感染細胞から放出されるのを防ぎ、拡散を阻止します。

【新しい抗ウイルス薬】
例:ゾフルーザ
ウイルスの複製を抑えることで、細胞への侵入を間接的に防ぎます。

5. 抗ウイルス成分を含む食品の活用
【緑茶カテキン】
インフルエンザウイルスの表面タンパク質を変性させる。

【ハチミツ】
抗菌・抗ウイルス作用があり、喉を保護します。

【エルダーベリー】
ウイルスの細胞侵入を妨げるポリフェノールを含む。(※エルダーベリーとは、小さく黒紫色をしており、ブルーベリーよりも小さい果実です。)

罹ってしまったときの対処法

●発熱から24時間後に受診する
●発熱から48時間以内に抗ウイルス薬を使用する(ウイルスの排出量のピークが12〜72時間のため、48時間以内に使用すると効果的と言われています。またウイルスは8時間後に約100個、1日で100万個に増殖すると言われています)
●水分補給をする(ウイルスは湿気に弱いためです)
●消化に良いものを食べる(食欲が減ると思うので無理に食べる必要はありません)

これらの対策を組み合わせることで、インフルエンザウイルスが細胞内に侵入するリスクを大幅に減らすことができます。予防が何よりも重要です!
特にお子様の場合、インフルエンザによる高熱が原因で熱性痙攣とつながることが多いそうです。お気をつけてください。

さいごに(私の体験談)

冒頭にお話しましたように、私の子どもも先日インフルエンザに罹りました。
最悪だったのは、末っ子が熱性痙攣になってしまったことです。

その日、末っ子は朝から発熱をしていました。3人兄弟のうえ2人がインフルエンザだったので移ってしまったことはすぐわかりました。
そしてお昼ごはんを食べた後、眠そうにゴロゴロしてましたが、うつ伏せになっていました。普段、うつ伏せに寝ることがないのですぐにひっくり返すと目が落ちており嘔吐してしまいました。
上の子たちも熱性痙攣を起こしたことがあるので、すぐに熱性痙攣だと気づきました。痙攣はすぐに止まりましたが、手先が紫色になりかけてたので#7119へ電話をし、状況を説明すると急いで救急車を呼ぶことを言われました。(※#7119についてはコチラから)

救急車が到着し、救急隊員から言われたことは『呼ぶのが遅すぎる』でした。
すぐに対応したつもりでしたが、私も焦っていたせいか判断が鈍くなり、痙攣を起こしてから救急車を呼ぶのに15分も経ってしまっていたとのことでした。

病院に着いて血液検査と点滴をしていただき、2時間後には意識がはっきり戻って目覚めました。血液検査の結果も異常なしだったため『よかった』という結果でしたが、もし救急車の到着があと1分でも遅かったら・・・と思うとゾッとします。
皆さまは熱性痙攣が起きた際は、躊躇わずすぐに119へ連絡するようにしてください。

長くなりましたが、私の経験を伝えさせていただきました。

みなさまが健康で幸多き日々を送れますように。
今回もブログを読んでくださり、ありがとうございました!

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