バレエの衣装として欠かせないレオタードは、伸縮性の高い化繊素材を使って作られていることがほとんどです。
豊富な色やデザインの中から選んだお気に入りの舞台衣装はもちろん、普段のレッスンで繰り返し着るレオタードでも、できるだけ長く使い続けられたら嬉しいですよね？
どんな種類のレオタードも、形、色、繊維の品質を保つためには、日頃のお手入れの仕方が重要です。今回は、とってもデリケートな繊維素材でできているレオタードを洗濯する際の注意点やオススメの方法をご紹介します！

手っとり早く「洗濯機」でレオタードを洗う場合

生地にダメージを与えない工夫・対策を

デリケートな素材と聞くと、「洗濯機で洗っていいの？」と疑問に思う方が多いのではないでしょうか。結論から言うと、化繊製・コットン製を問わず、ほぼすべてのレオータードは洗濯機で洗えます。
ただし、生地にダメージを与えないための工夫と対策が必要です。他の衣類と一緒に、そのまま洗濯槽に入れてしまうことだけは絶対に避けましょう。

レオタードを裏返して、洗濯ネットにIN

家庭用の洗濯機で洗う際は、レオタードを裏返し、洗濯ネットに必ず入れましょう。
色や柄の入っている面を内側に向け、他の衣類との摩擦が起きにくくすることで、色落ちや縮みのリスクを大きく軽減することができます。
また、使用する洗剤は、おしゃれ着などのデリケート素材に適した「中性洗剤」がベストです。その他の洗剤でも問題はありませんが、レオタードをできるだけ長持ちさせるには、繊維への負担が少ない中性洗剤をオススメします。
なお、間違っても「漂白剤」だけは使わないようにしてください。せっかくのレオタードの色がみるみる落ち、まだら模様になったり、他の衣類に色移りする恐れもあります。

「洗い」と「すすぎ」までが理想的

レオタードの生地へのダメージを最小限に抑えるなら、洗濯機は「洗い」と「すすぎ」の工程までに留めることです。
実は、すすぎ後の「脱水」も色落ちの原因になることがあります。グルグルと遠心力で水気を飛ばす際、染料も一緒に抜けていってしまう可能性があるためで、もともと速乾性の高いレオタードは「すすぎ」後に取り出してあげることが理想的です。
また、多くの素材の縮みの原因となる「乾燥」モードや「乾燥機」の利用は絶対禁止です！

レオタードの洗濯は「手洗い」が安全で安心

飾りのついたレオタードなら尚さら

洗濯機でも洗えるレオタードですが、繊維素材でできたデリケートな生地のためには、「手洗い」の方が安全で安心です。特に、レースやラインストーンなどの飾りがついたレオタードであれば、尚さら手洗いをオススメします。

［用意するアイテム］
■ 洗濯桶（なければバケツ・風呂桶・バスタブを利用）
■ 中性洗剤または石鹸（天然由来成分）
■ ぬるま湯（30℃前後）

手洗いでも「裏返し」は鉄則！ やさしく、素早く、押し洗い

まず、手洗いの場合でも、レオタードを裏返しにして洗うことは鉄則です。
また、汗をかいた後の汚れを落とそうと、生地をこすったり、必要以上にもみ洗いをすると、色落ち、型崩れ、繊維を傷める原因になってしまいます。
正しいレオタードの手洗い方法は、「やさしく、素早く、押し洗い」が基本中の基本。中性洗剤を溶かしたぬるま湯に、レオタードを浸したら、浮かせたり沈めたりを繰り返す「押し洗い」をしましょう。
そして、洗浄後は十分にすすぎましょう。洗剤の成分が生地に残っていると、変色や繊維の劣化につながる恐れがあります。洗濯桶の水を一回ずつ入れ替えるか、シャワーを使ってのすすぎがオススメです。

型崩れと変色を防ぐ！ レオタードの乾かし方＆干し方

バスタオルを使って“脱水”

洗濯機、手洗いを問わず、レオタードをきれいにすすいだ後は、「バスタオル」を使って水分を取りましょう。
できるだけ平らな場所にバスタオルを広げ、裏返したままのレオタードの形を整えて挟みます。化繊繊維の吸水性はほとんどありませんので、水が滴らない程度に“脱水”するだけで十分です。

ハンガーに吊るさず、室内で「陰干し」を

レオタードを長く使い続け、品質を保つためには、干し方にも気を配りましょう。
大前提として、ハンガーや洗濯バサミに吊るして干すこと、直射日光が当たる屋外に干すことは厳禁です。伸縮性の高いレオタードを吊るすと、早期型崩れの原因となり、日光が当たり続けると変色や色褪せにつながります。
レオタードを干す際は、「裏返したまま、形を整えて平置きし、室内で陰干し」が最適です。速乾性の高い素材がほとんどなので、室内での自然乾燥でも短時間で乾かすことができるでしょう。

洗濯の仕方ひとつで、レオタードの寿命は変わる

からだのラインにフィットする素材のレオタードは、直接肌に触れる面積が多い服です。だからこそ、着る機会の多いレッスン着を常に清潔な状態に保つことはもちろん、発表会用のレオタードを長く保管するためにも、使用後すぐの「正しいお手入れ」をマスターすることは大切です。
洗濯の仕方ひとつで、レオタードの寿命は変わります。手洗いでのお手入れは少々面倒ですが、道具や衣装に愛着を持ち、丁寧に使い続けることも、バレエ上達のポイントになるかもしれませんよ。