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2019年11月26日
健康体操

【ロコモ体操】運動器の機能低下に要注意!日頃から、若いうちからの対策を

「ロコモ」。文字で書いても、声に出した響きも、どこか可愛らしい言葉ですが、実はこれ、誰もが防ぎたい『ロコモティブシンドローム』の略称なんです。
日本語で『運動器症候群』と呼ばれるロコモは、加齢や生活習慣によって運動器の機能が衰え、立つ・座る・歩くなどの移動機能が低下した状態をいいます。“ずっと健康で、ずっと自分の足で歩きたい”と願う気持ちは、すべての人に共通していますが、“老化”もまた、避けては通れない共通の悩みです。
今回は、要支援・要介護の原因にもなってしまう「ロコモティブシンドローム」の概要と共に、ロコモ予防につながる健康維持のための『ロコトレ』『ロコモ体操』をご紹介します!

2007年、日本整形外科学会が「ロコモ」を提唱

自由に身体を動かせるのは「運動器」の働き

「ロコモ」ことロコモティブシンドロームは、将来的に必ずやってくる日本の超高齢化社会を見据えて、日本整形外科学会が2007年に提唱した概念です。
骨・筋肉・関節・軟骨・椎間板などの「運動器」は、呼吸器、循環器、消化器と同じ私たちの身体を構成する大切な要素です。
普段、自由に身体を動かすことができるのは、運動器が正常に働いている証拠です。運動器の内のどれか一つが欠けたり、健康状態を損なってしまうと、立つ・座る・歩くなどの移動機能に影響が出てしまいます。

ロコモは高齢者だけの問題ではありません

ロコモティブシンドロームになる原因の第一は加齢です。人は年齢を重ねると、自然に骨量や筋肉量が減っていくものです。
事実、要支援・要介護になった原因の第1位は、「運動器の障害(ロコモ)」であり、老化という自然のサイクルに逆らうことができないことを物語っています。
また、ロコモは高齢者だけの問題ではありません。若い世代でも、運動不足、生活習慣や食生活の乱れ、痩せすぎや太りすぎなどが原因でロコモに陥ってしまうことは十分あり得ます。
少しでも長く、健康に、自分の足で歩く生活が続けられるよう、日頃からの心がけや対策が何より大切です。

あなたも実はロコモかも。7つのチェック項目

思い当たる節があれば要注意!

自動車、エレベーター、エスカレーターなど、便利な移動手段を日常的に使用している私たちは、気づかぬ内に運動する機会を失っています。
だからこそ、もしかすると、すでにロコモティブシンドロームの予備群になってしまっている!?という人は多いのかもしれません。
次の7つのチェック項目の中で、思い当たる節があれば、実はあなたは、すでにロコモなのかもしれません。

■ 片脚立ちで靴下を履くことができない
■ 家の中でつまずいたり、すべったりすることがある
■ 階段を上がる時に手すりが必要
■ 掃除機がけなど家のやや重い仕事が困難
■ 買い物で2kg程度の重さのものを購入した後、持ち帰るのが困難
■ 15分ほどの時間、続けて歩くことができない
■ 横断歩道を青信号の間に渡りきれない

ロコモの進行を遅らせる対策を意識的に

7つの項目の内、1つでも当てはまることがあれば、生活習慣の改善、運動の機会を意識的にとり入れるなど、新たな心がけが必要になります。
年齢を重ねて、骨粗しょう症や変形性関節症などになる前に、支援や介護が必要になってしまう前に、できる対策を行うことがロコモの進行を遅らせる上でとても大切です。

足腰の元気を保つ簡単「ロコモ体操」

毎日続けられるトレーニング

ロコモを防ぐには、骨、関節、筋肉などの「運動器」が衰えないよう、運動習慣をとり入れ、骨や筋肉を強くする健康的な食生活を心がけることが重要です。
しかし、急に激しい運動を始めるのは、大変ですし、ケガのもとになることもあります。まずは、短時間で行える簡単な「ロコモーショントレーニング(ロコトレ)」を毎日の日課にしてみませんか?
ロコトレは、歩行に必要な身体のバランス能力や脚の筋肉を鍛えることを目的とした、簡単な2つの運動です。

ロコトレ1 『片脚立ち』

1.バランスを崩した時につかまるものがある場所でスタンバイ
2.姿勢を正して真っ直ぐ立つ
3.床に触れない程度に片脚を上げて1分間キープ
4.逆側の片脚も同様に1分間キープ

※1日3回を目安に行い「バランス能力」をUP

ロコトレ2 『スクワット』

1.肩幅より少しだけ広めに足を開き真っ直ぐ立つ
2.つま先を30度をほど開く
3.両膝がつま先より前に出ないように気をつけ、お尻を引くように身体を沈める
4.動作中は息を止めず、膝は90度以上曲げない
5.ゆっくりとしたペースで5〜6回繰り返す

※1日3回を目安に行い「下肢筋力」をUP

ロコトレ+α 『ヒールレイズ』と『フロントランジ』

ロコモ対策の簡単なトレーニング方法には、ふくらはぎの筋力UPに効果的な『ヒールレイズ』(両足で立った状態でかかとを上げ下げ)、下半身の柔軟性やバランス能力を養う『フロントランジ』(片方の脚を大きく前に踏み出し腰を深く下げる)などもあります。
また、「ロコモ体操」と題した柔軟体操やストレッチ法も登場しており、無理せず自分のペースで続けられる“運動”を選ぶと良いでしょう。

健康寿命を延ばすカギは、日々の運動習慣

「ロコモなんて怖くない!」と胸をはるために

寿命と健康寿命は違います。足腰をいつまでも健康に保ち、自分自身の足で元気に歩き続けられるように、「ロコモなんて怖くない!」と胸をはれるように、若いうちから日々の運動習慣をとり入れましょう。
運動の機会は、ちょっとした工夫で増やすことができます。例えば…

■ 徒歩や自転車で移動する機会を増やす
■ エレベーターやエスカレーターを使わず、階段を上り下り
■ テレビを観ながらストレッチ、家事の合間にストレッチ
■ 近くの公園や運動施設を利用したり、休日には外出を心がける
■ 地域で行われるスポーツイベントやウォーキングに参加する
■ 歩幅をなるべく広くし、速めのスピードで歩く
■ ラジオ体操やロコモ体操などを習慣化する

どんな運動も、軽い運動も、立派なロコモティブシンドローム対策の一つです。
ロコモについてもっと詳しく知りたい方は、提唱団体である公益社団法人「日本整形外科学会」が発信する情報をチェックしてみてください。

https://www.joa.or.jp/public/locomo/locomo_pamphlet_2015.pdf

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