ケガをしたら「アイシング」は必要?患部を癒やす正しい方法
自宅でのエクササイズ中や体操の最中に起こってしまった、予期せぬケガ。そんな時、あなたはどうやって処置をしていますか?
「すぐに冷やす」という人もいれば、「あたためたほうがいい」と思っている人もいると思います。
今回は、ケガが起こった時にやるべき処置の方法やアイシングに関する疑問をスッキリ解決する情報をお届けします!
ケガの直後には「アイシング」がおすすめ!
冷やすことで筋肉疲労の軽減にも効果あり
ケガをしてしまった直後はズバリ、患部を冷やす「アイシング」がおすすめです。
ケガの治りを早める目的だけでなく、エクササイズや体操中にたくさん使用した部位を冷やすことで、筋肉の疲労軽減にも効果があります。
ちなみに、あたためた方がいいのは、ケガの痛みや腫れが落ち着いてから。患部とその周辺の温度を上げることで血行が促進され、ケガの回復が早まる場合があります。
アイシングの効果はこんなにある
①痛みを和らげる
患部を急激に冷やすことで、神経伝達速度が低下するため、痛みが緩和されます。
②内出血や腫れの防止
患部の温度が低下し、毛細血管が収縮することで、血液成分の漏出を防ぐことができます。
③損傷部位拡大の防止
ケガをすると、患部の組織と共に周辺の毛細血管も破壊されてしまいます。すると、周辺の健康な組織にも酸素が行き渡らなくなってしまい、損傷部位が拡大してしまうことがあります。
アイシングで患部周辺の温度を下げることができれば、組織の代謝を低下させ、損傷部位の拡大を防止することにつながります。
④筋肉の疲労軽減
ケガをした場合だけでなく、運動の直後にたくさん使用した部位をアイシングすることで、筋肉の疲労を軽減することができます。運動直後の筋肉は温度が上昇し、エネルギー消費量が高い状態です。
アイシングで筋肉の温度を低下させて、余分なエネルギー消費をおさえることができれば、筋肉の疲労を軽減することができます。
自宅でもできる「アイシング」の方法
①氷嚢を用意する
アイスバッグに霜を落とした氷を入れて、できるだけ空気を抜いてふたをします。
アイスバッグがない場合は、タオルを巻いたビニール袋でも代用できます。
アイシングには、必ず霜を落とした氷を使用するようにしましょう。霜がついたままの氷を使用すると、凍傷の原因になることがありますので、要注意です。
②患部に当ててアイシングする
冷やしたい部位の皮膚に密着させるようにして、患部を冷却します。目安として、15〜30分行うようにしましょう。
「アイシング」する際の注意点
①長時間冷やしすぎない
長い時間をかけて冷やしすぎてしまうと、凍傷につながることがあります。
目安の15〜30分であっても、「患部の感覚がなくなってきたな」と思ったら一度中断し、感覚が戻ってきたら改めて再開するようにしましょう。
②瞬発的な運動は控える
ケガをしている場合はもちろん、ケガをしていない場合でも、アイシングを行った後に筋肉の瞬発的な反応を要する運動はしないようにしましょう。
アイシングによる温度低下によって、筋肉や血管のはたらきは落ちてしまうので、さらなるケガにつながる可能性があります。
③あくまでも応急処置と認識する
アイシングをしたからといって、ケガがその場ですぐに治癒するわけではありません。
あくまでも軽傷の場合や、病院に行くまでの応急処置としてアイシングを取り入れるように心がけましょう。
ケガの急性期には「アイシング」が鉄則
ケガをした時にアイシングをしたほうが良いのか悪いのかの判断は、直後=急性期であるかどうかです。
痛みや腫れが落ち着いた状態=慢性期なら、患部をあたためてあげることを優先してください。
とは言え、ケガをしないことが一番です。エクササイズや体操の前には、しっかりとストレッチを行い、器具の正しい使用を心がけましょう。
それでも、万が一ケガをしてしまった場合には、応急処置としてアイシングを行った上で、医師による診察を受けるようにしましょう。