【骨盤の歪み矯正】全身の姿勢を支える身体の要
新型コロナウイルスの影響で、在宅勤務やリモートワークを導入する企業が増えました。そんな昨今、長時間のデスクワークで「気が付けば、ずっと同じ姿勢…」という人も多いのではないでしょうか?
リモートワークによって、仕事場が会社から自宅に変わり、肩こりや腰痛などの身体の不調を感じる人が増えているようです。実はその不調、「骨盤の歪み」に起因しているかもしれません。
骨盤は身体の中心から全身の姿勢を支える「身体の土台」となる部分です。骨盤は何げない癖や習慣が積み重なると、歪みが生じて身体に不調を来たすこともあります。
今回は、「骨盤の役割」から「骨盤の歪む原因」「骨盤の歪み予防法」までをご紹介します!
骨盤とは
尾骨(びこつ)・寛骨(かんこつ)・仙骨(せんこつ)の組み合わせ
骨盤は、身体の中心にある骨格で、上半身と下半身をつなぐ役割を担っています。
尾骨(びこつ)・寛骨(かんこつ)・仙骨(せんこつ)の3つの骨の組み合わせで構成されており、寛骨は腸骨(ちょうこつ)・坐骨(ざこつ)・恥骨(ちこつ)の3つの骨が融合してできています。
寛骨は太ももを動かす大腿骨に、仙骨は上半身を支える背骨につながっています。
骨盤の4つの役割
《1》上半身を支える役割
骨盤は身体の中心にあり、上半身と下半身をつなぐ重要な役割を果たしています。
骨盤が歪んで正しい位置にない場合、体重のかかり方が偏り、肩こりや腰痛といった不調の原因となることがあります。
《2》歩行をサポートする役割
骨盤は歩行時に足から伝わる衝撃を吸収する役割があります。
その衝撃を足関節から膝関節、股関節、骨盤へと吸収していくことで、上半身に余分な負担をかけずに支えることができます。
《3》座る時に身体を支える役割
座る時は、骨盤の一番下に位置している坐骨が上半身を支えています。座面に接する2点の坐骨で上半身を支える姿勢は、身体に負担のかからない座り方です。
「足を組んで座る」「横向きに座る」などの姿勢は、1点の坐骨で体重を支えることになるため、身体に負担がかかり、骨盤の歪みの原因にもつながります。
《4》内臓や生殖器を守る役割
骨盤の中には内臓や生殖器があり、それらを支える役割があります。
大腸や泌尿器(腎臓、膀胱、尿管をはじめ、子宮、卵巣などの内臓)を保護していますが、骨盤が歪んでしまうと内臓を支えることができなくなり、重力によってぽっこりお腹の原因になる場合があります。
骨盤が歪む原因とは?
気づかないうちに負担がかかる悪習慣
運動による衝撃、習慣的な悪い姿勢、出産などによって、骨の結合部がずれたり、骨の向きが傾いたりすることを「骨盤の歪み」と呼びます。
どんな悪習慣が骨盤に影響を与えるかと言うと…
・足を組んだり、あぐらをかいたりすることが多い
・うつ伏せや横向きで寝ることが多い
・同じ姿勢を取り続けることが多い
・ハイヒールを履くことが多い
・カバンやバッグなど、重いものを片側だけで持つことが多い
・身体の重心を左右どちらかにかけることが多い
これら一つひとつのは、些細なことに感じるかもしれません。しかし、毎日繰り返していると、少しずつ骨盤への負担が大きくなり、いつの間にか骨盤が歪む一因となりえます。
骨盤の歪みセルフチェック法
骨盤が歪んでいるかどうかを確かめるセルフチェック方法を2つご紹介します。
《1》鏡を使ったチェック法
①全身を映せる鏡を用意します。
②鏡の前で正面を向き、両足をそろえて立ちます。
〔チェックポイント〕
・体が左右どちらかに傾いている
・頭、肩、骨盤、膝のいずれかの高さが左右で違う
・太もも、膝、ふくらはぎ、内くるぶしのうちくっつかない場所が2カ所以上ある
1つでも当てはまるものがあれば、骨盤が歪んでいる可能性があります。
《2》足踏みチェック法
①周囲に何もない広めの場所で行います。
②目を閉じた状態で、50回足踏みをします。
③足踏みをスタートした位置からどのように移動したかを確認します。
〔チェックポイント〕
・左右前後に移動している
・スタート位置からの距離が離れている
スタートした位置よりも右側に移動していた場合は右側の骨盤が下がっている可能性があります。同様に左側に移動した場合は左側の骨盤、前側に移動した場合は骨盤が前側に、後ろに移動した場合は骨盤が後ろ側に歪んでいる可能性があります。
骨盤の歪みを予防する方法
骨盤の歪みは、運動による衝撃や習慣的な悪い姿勢、出産など、ライフスタイルに起因していますが、1日1回、意識を持つだけで悪化を抑えることもできます。
・2点の坐骨を均等に使った「坐骨座り」
・片側だけに偏らない「左右のバランス」
・骨盤や背骨を支える「筋肉づくり」
を日常的に意識すると、骨盤の歪みを予防することができます。
日常の何げない癖や習慣が積み重なると骨盤に歪みが生じ、いずれ身体に不調を来たすこともあります。
そうならないために、普段から骨盤を意識して、正しい姿勢や足を組まないなどの骨盤にやさしい生活を心がけましょう。